(特徴)
1.高い純度
30種類以上の鉄鉱石のなかから不純物の少ない物を高炉原料として厳選吹製した純度の高い鋳物銑です。ベースの配合原料として用いることにより、鋳物製品の品質・歩留改善に寄与します。
2.広範なスペック保証
近年の高強度鋼(ハイテン鋼)の需要拡大に伴い、銑鉄鋳物の主原料の一つである鋼屑中のMnおよび鋳物にとって有害なTi、Cr、V等の元素含有量が増加しています。そこで広範な元素について成分規格を設け、これらの有害元素についても極めて低い含有率であることを保証した鋳物銑です。
3.今後の鋼屑変化に対応できる品種
鋳物用主原料である鋼屑の成分変化(悪化)に対応できる多機能型鋳物用銑鉄および高純度鋳物用銑鉄をご提供しております。主にMn主体の対策、あるいは他の有害微量元素希釈対策等、ご要望の成分に応じて用途に適した鋳物銑をご利用いただけます。
4.コンパクトな形状
単重5kg/個で、高嵩密度、高充填密度、小さな比表面積のコンパクトな最適形状を実現することにより、キューポラ炉での通気性の確保、電気炉での溶解時間短縮、溶解電力低減、スラグ発生量低減等によるコスト削減。生産性向上に効果を発揮します。
5.安定品質
最新鋭高炉での吹製管理、鋳銑操業管理、厳格な製品保管等の徹底により、成分変動の少ない安定した品質の鋳物銑を提供いたします。その他、形状、錆についても徹底した管理を行なっており、安心してお使いいただけます。
(有用性)
1.製品品質の安定へ寄与
鋳鉄鋳物の組成に近く、化学成分のばらつきの少ない鋳物用銑鉄をベースの配合材料として用いることにより、溶湯性状が安定し製品品質の安定に寄与します。
2.鋳鉄として好ましい黒鉛組織のための炭素供給
鋳鉄の特性は黒鉛組織に支配されており、十分に伸びたフレッシュな黒鉛をもつ鋳物用銑鉄は良好な黒鉛組織の鋳鉄鋳物を生み出します。
3.黒鉛化の促進による鋳造性の改善
鋳物用銑鉄を配合することにより、凝固時の黒鉛化が促進されて凝固収縮量が減少し、その結果として引け防止等の効果により鋳造歩留が改善します。
4.鋳鉄材質の均一化と機械的性質の改善
鋳鉄材の品質を示すための指標として用いられる成熟度は、良質の鋳物用銑鉄を配合することにより向上します。これは鋳物用銑鉄に含まれる黒鉛によってセル組織が適正化され、鋳鉄中のキッシュ黒鉛が共晶セルの核になるからと報告されています。
5.黒鉛接種としての効果
鋳物用銑鉄は鉄源であると同時にカーボンの供給源です。黒鉛接種材としての鋳物用銑鉄の効果は、直接的には黒鉛化促進によるチルの防止、間接的には良好な黒鉛組織が得られることによる機械加工性向上です。
6.溶解時間の短縮による生産性の向上
鋳物用銑鉄は鋼屑に比べて低融点であるため、電気炉内での溶け落ちが早まり溶解電力量を低減でき、より低温で安定した組成の溶湯が得られます。
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